グルジア軍 中心都市撤退開始

南オセチア自治州をめぐるグルジアとロシアの武力衝突が、グルジアのほかの地域にも広がる様相をみせるなか、グルジア軍が中心都市のツヒンバリから部隊の撤退を開始し、こうした動きがどこまで事態の打開につながるかが注目されています。

グルジアの南オセチア自治州では１０日に入っても、グルジアからの分離を求める地元の部隊を支援する形で軍事介入したロシア軍とグルジア軍との間で戦闘が続いています。グルジア内務省は、ロシア海軍がグルジアからの分離を求めている別の地域、アブハジア自治共和国にも大規模な部隊を上陸させたと指摘しました。さらにロシアのインターファクス通信によりますと、ロシア軍は黒海艦隊の艦船をグルジアの黒海沿岸に出動させて海上封鎖を行う構えを見せ、グルジアへの圧力を強めています。こうした情勢の一方で、グルジア内務省は、グルジア軍の部隊が南オセチア自治州から全面的な撤退を開始したと発表し、ロシア側も中心都市ツヒンバリからグルジア軍が撤退を始めたことを確認しました。ロシアはこれまで、グルジア軍が南オセチアから全面撤退しないかぎり軍事行動を続けるとしており、今回の動きがどこまで事態の打開につながるかが注目されています。一方、ロシア外務省によりますと、戦闘で死亡した現地の住民およそ２０００人のうち大半がロシア国籍を持っており、ロシアに避難した住民は３万人以上にのぼるということです。ロシア政府はこうした避難民をロシア国内に受け入れて積極的に支援を行う考えを明らかにするなど、グルジア軍の攻撃によってロシア側が人道的な被害を受けていると強調する姿勢を見せています。