ロシアとベネズエラ、エネルギー協力強化へ



　【モスクワ＝星井麻紀】ロシアのメドベージェフ大統領は２２日、モスクワでベネズエラのチャベス大統領と会談した。チャベス大統領の訪ロは６回目。これまでは対米同盟を強調し、軍事面での協力が目立ったが、今回はエネルギー分野に軸足を移した。

　インタファクス通信などによると、会談後の記者会見でチャベス氏は「石油と軍事協力はベネズエラの主権を守るために最も重要な問題」と発言。メドベージェフ氏も「天然ガスと石油の大きな産地である両国の協力は、エネルギー安全保障にかかわる」と述べ、ロシアの石油大手など３社がベネズエラで石油採掘に従事する文書に署名した。

　メドベージェフ氏は、プーチン前大統領が関心を示していた「天然ガス版石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）」の構想についても、今後検討していく意向を表明した。

　チャベス氏は「米国の脅威に対抗するためには、軍事力の増強も必要だ」として、最新型のロシア製戦闘機を購入すると話し、「ロシア軍のベネズエラ駐留を望むなら歓迎する」とも踏み込んだが、ロシア側から明確な発言はなく、兵器購入の契約は交わされなかったという。