
シベリアで服役中の元石油王、仮出所申請
2008年7月18日10時18分
【モスクワ=星井麻紀】脱税などの罪でロシア・シベリアで服役している石油大手「ユコス」(06年に破産)のミハイル・ホドルコフスキー元社長が16日、仮出所の手続きを裁判所に申請した。同氏の訴追はプーチン前大統領による「政敵の口封じ」と言われたが、司法改革に熱心なメドベージェフ氏が大統領に就いたのを機に申請を決めたようだ。
元社長は03年に逮捕された。当時、プーチン政権を批判して野党を支援したことへの報復的な措置だと指摘された。05年9月、懲役8年が確定し、ロシア一の大富豪から一転、作業場で制服を縫う作業などに当たっている。
メドベージェフ大統領は逮捕当時、司法当局に慎重さを求める発言をしたほか、演説では法の支配を軽視するロシアの「法のニヒリズム」との闘いを宣言。今年6月のドイツ訪問時には、恩赦の可能性にも触れた。ホドルコフスキー氏の弁護人は「司法の独立をうたう大統領に期待している」と話している。